多くのアリの仲間は、生涯に1度だけしか交尾しません。
ただし、1度といっても1匹と、というわけではありません。
交尾のために羽アリとなった新女王アリは、
同じく交尾のために羽化したオスと空中で交尾をします。
この日、新女王アリはできる限りたくさんのオスと
交尾するのです。
そして、たくさんのオスのたくさんの精子がため込まれます。
しかし、一度に受精することはありません。
体内に入った精子は全て休眠状態にしてお腹の中(精子嚢)に
保存してしまいます
(精子の保存は数年に及ぶことがあります)。
その後、メスは、巣を作るのに適した場所に到達すると、
休眠状態にしていた精子を1つずつ目覚めさせ、
自分の卵子に受精させていきます。
こうして、アリは生涯に1度の交尾で数百匹の子供を
産んでいくのです。
例えばクロヤマアリの場合、15年程度の生涯の間に
5000匹くらいの子供(タマゴ)を産むといわれています。