夫婦関係も母子関係を鋳型としている

母息子の癒着が強すぎるのが日本かと思っていたら
母がなくては、愛することはできない
母がなくては、死ぬことはできない
というわけでヘルマン・ヘッセ
までもこんなことを言っている

夫婦関係も母子関係を鋳型としているので
かわいいかわいいと夫を立てておきながら
裏でこっそりと情報をコントロールするような場合は少なくない
夫はあきれ果て絶望しているので
すべてが煩わしく、余計な詮索をしたくなくなる

そんな場合の妻はまるで
息子のためだと言いつつ息子を強力に支配する母親である
息子にどこまでも献身するが一方で息子をどこまでも自己愛の延長物として従える母親である

多くの場合
夫婦になる約束とは
そのような息苦しい二重の拘束を受け入れますという約束なのである
とんでもない話なのだ

息子はそれで一種の去勢をされたとしても
母親と嫁は必然的にぶつかることになる

経済的世俗的権力は母親が
肉体的権力は嫁が
それぞれ分有ししばらくぶつかり合う