武者小路実篤
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誰もが見て
これでこそ人間だと思ふ 一個の人間
自分はさういふ人間を実に愛する
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俺は一生ぶつ通して
自分の信じる道を歩く
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この道より 我を生かす道なし
この道を行く
『この道より』
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我らは過去の人間から受けとつたものに
我らの精神と労働とを加味して
未来の人間に渡すものである
『我等は』
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生きるなり
今 春の日なり
春の日に生きるなり
弱ってはゐられぬなり
昂然と生きるなり。
『生きるなり』
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自分は一個の人間でありたい。
誰にも利用されない 誰にも頭をさげない
一個の人間でありたい。
他人を利用したり
他人をいびつにしたりしない
そのかはり自分もいびつにされない
一個の人間でありたい。
自分の最も深い泉から
最も新鮮な 生命の泉をくみとる
一個の人間でありたい
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生れ死ぬ。
死ぬ生れる。
かくて人生は常に新しく、
常に新鮮である
『若き日の思い出』
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さあ、俺も立ち上るかな
まあ、もう少し坐ってゐよう
『さあ俺も』
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俺達は杉の林
協力はするが
独立する。
俺達は人間
協力はするが
独立する。
『俺達は杉の林』
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幸福をつかむのを恐れるな
『人生論』
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人間は、自分でものを感じているように思っているが、
実は自然から命じられている通り感じているのだ
『新日本の建設』
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自分を信じて進んでゆかなければいけない。
教わるものは遠慮なく教わるがいいが、
自分の心と頭と目だけは
自分のものにしておかなければならない
『或る画室の主』
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人々があたりまえと思う感情の内に、
自然の意志が働いているのだ。
人間はそれにただ支配されているのだ
『人生論』
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自然がなぜこんなにまで深刻な感情を
人間に与えたのかは知らないが、
人間はその感情に
支配されなければならない
『人生論』
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個人の死ぬことは自然は知っているのだ。
ただ生きられるだけ生かして、その人の真価を
出来るだけ地上に吐き出させたがっているのだ。
この地上でなすべきことを
出来るだけさせたがっているのだ
『人生論』
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友情の価値は、両方が独立性を傷つけずに
付き合えるという点にあるのだ
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旅人は一筋の道を歩くなり
他の道が美しくもあり立派でもあるが
彼は自分に許された一筋の道を歩くなり。
『一筋の道を歩くなり』
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旅人はいつのまにか齢をとりたり
されど歩くなり
無限の道を歩くなり
希望の天使に護られながら
歩くなり、死ぬまで歩くなり
歩ける処まで歩くなり
旅人は一筋の道を歩くなり
『一筋の道を歩くなり』
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私は死力を尽して運命と戦います。
戦うと云うよりは運命を開こうと思います
『友情』
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自分が画の好きな理由はいくつもあるが、
その内の一つは、画はその人が、
その画をかいている時の精神力の
全部を示していることだ
『レムブラント其他』
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よく分からないのだが
この人はこの人でかなり立派なのだろう、たぶん。
あとでコメントを続けるつもり。