イヴァン・ツァンカルという作家。
書評によれば、
長年主人の下で働いたイェルネルは若主人から追放される。
畑も家も自分が働いて作ったものなのに、
なぜ追い出されなければならないのか。
イェルネルは正義を求めて放浪する。
その後、あれこれの話。
日本では地主制度の復活を嫌ったので、
自作農にのみ農地を認めていたという記事を読んだことがある。
たしかに土地の所有権とは何であるか、
難しいところがある。
強い者、所有する者、支配する者にとっての正義しか
この世にはないのだという絶望。
しかしそれならばまた
わたしはこの世には用はないと考える絶望。
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しかしそれでは、
強い者、所有する者、支配する者にとってこの世は楽しいかといえば、
そうでもない。
とりあえず衣食住には便利だけれど、
現代ではそれだけで勝者とも言えない。
まともな人間にとってつらい場所。
まともであればあるほどつらい場所。
それがこの世だ。