「浪曲新宿お七」が収録されている。
この猥雑な感覚は現代的である。
寺山修司は大衆芸能の真ん中で、
大衆を相手にして、
あくまでもけれんみを発揮して、
みんなをうならせた。
有無を言わず、圧倒的な力で。
その一方で、書き残したものを検証すると、
例えば当時のスターである谷川俊太郎の筆法を取り入れていることも明らかなようである。
病気で言うなら、躁うつ病から統合失調症、さらには知能発達遅滞と性格障害まで、取り混ぜて、料理したのが、寺山だ。
だから、文壇の各ジャンルの大御所は、いまだに評価を保留しているのであろう。
セーラー服でやっちゃおう、
着替えるの面倒だし
どうせやること同じだし
そのほうがあんた勃つじゃない
なんて携帯メールで短く連絡する感覚を
寺山ははにかみながら綴っていたと思う。