クリスマスにあと一週間くらい。
今日は静かな日曜日だ。
穏やかに寒い。紅葉はまだ終わりではない。
新聞には、日比谷公園の紅葉がやっと最盛期と書かれていた。
例年より遅いとのことだ。
ある年のクリスマスを思い出す。
25日、最高に陰鬱で暗い一日だった。
そして26日には春が来たかと思われるような、
暖かな光と、海からの南風に恵まれた。
これがクリスマスの意義なのだと思った。
一年の一番暗鬱な日を慎ましく敬虔に過ごし、
その次の日から、祈りは聞き届けられ、
暖かな春の祝福を感じ始める。
季節が反転する、まさにその日が25日だった。
例年、私は春一番が待ち遠しかった。
春一番が吹きましたと報道されるとほっとしていた。
浮浪者の人たちも多分、待ちわびている知らせだろう。
ああこれで、この冬も乗り切った。
とにもかくにも、冬を越えたのだと感じられる。
わたしは風呂に入りながら、
冬を乗り切ったことを感謝しつつ、希望のようなものを感じていた。