同じ朝日夕刊。
LPレコードが復活という。
CDで失われる何かがあるとの話はときどき聴いている。
そうなのだろうか。
人間の耳に聞こえない周波数はカット処理してあるのだが、
その成分も影響しているだろう。
たとえば、カラー写真を、一色少なく加工したようなものだろう。
決定的に色が足りないわけでもないけれど、
やはり少し足りない。
実際、LPは扱いが難しく、当時も、普段はカセットテープで繰り返し聞いていた。
ジャズ喫茶の叔父さんは、閉店する時に全部を、古レコード屋に売り払ったと言っていた。
傷が付きやすいLPレコードを大切と思う気持ちと、
音楽を大切なものと思う気持ちは直結していた。
引っ越しのたびに持ち歩いているLPレコードが数枚だけある。
バッハのマタイ受難曲など。
どれもCDがあるので、いまはもう聞かない。
貧乏学生の頃、中古レコード屋で買った記念品である。
しかし捨てるのも惜しくて荷物の一部になっている。
何でも捨てたがる人もいて、気持ちが理解できない。
場所をとるということは、家賃がかかっているということで、
そんな無駄を許しておくのかという。
その無駄が人生なのだと私は思う。
節約したかったら、すぐに死ねばいいよ。