記事:Japan Medicine 提供:じほう
【2007年3月5日】
全国公私病院連盟と日本病院会はこのほど、例年実施している病院運営実態分析調査について2006年調査の概要をまとめた。調査に回答した病院は1172病院。総収支差額で赤字となる病院が全体(1145病院)に占める割合は、02年調査以来減少していたが、06年調査では72.8%となり、増加に転じていることなどが分かった。
調査対象は、公私病盟と日病に所属する3406病院のうち、調査票に回答があった1172病院。例年6月の1カ月間を対象に調査を実施している。このうち、自治体病院599、その他公的病院(日赤・済生会・厚生連・社保など)267、私的病院279、国立・大学病院27となっている。 06年6月の1カ月分の総収支差額(総費用と総収益の差額)について、回答があった1145病院をみると、27.2%(311病院)は黒字だったが、72.8%(834病院)は赤字であった。 赤字病院の占める割合は、02年調査を境に低下してきていたが、今回の調査で再び赤字病院の割合が高まるという結果となった。 これを開設者別にみると、自治体病院の90.7%、その他公的病院の59.6%、私立病院の47.3%がそれぞれ赤字となっている。 100床当たりの総収支差額と医業収支差額では、総費用が1億5102万4000円(前年6月比2.0%増)、総収益が1億3927万円(同0.4%増)となっている。総収益から総費用を差し引いた額は1175万4000円の赤字となり、総費用対総収益比率は108.4%となっている。
自治体病院の病床利用率76.2%
平均在院日数は、全病院では19.7日(前年20.4日)だが、開設者別にみると自治体病院が18.7日、その他公的病院が18.4日、私的病院が27.2日となっている。 病床規模でみると、500-599床が15.9日と最も短く、次いで700床以上が16.0日、600潤オ699床が16.4日などとなっている。 病床利用率は全病院では78.2%(同80.3%)となっている。開設者別にみると自治体病院が76.2%、その他公的病院が80.1%、私的病院が81.9%となっている。病床規模でみると、700床以上が83.6%で最も利用率が高く、次いで500潤オ599床が81.2%、600潤オ699床が81.1%などとなっている(表3)。 6月の1カ月分の1病院当たりの入院患者数は6983人(同6997人)で前年より14人減少した。外来患者数は1万2017人(同1万2169人)で152人減少した。
医師1人の受け持ち患者数は入院6.5人
こうした中、医師1人当たりが1日に受け持つ患者数は、入院で平均6.5人(同6.7人)。精神科18.4人が最も多く、次いで呼吸器科9.7人、整形外科9.3人となっている。同じく外来では平均11.4人(同11.8人)で、皮膚科24.4人、眼科22.0人、耳鼻咽喉科19.0人、整形外科17.2人、リハビリテーション科16.4人となっている。 一方、医師1人1日当たりの診療収入は、入院では平均23万円。心臓血管外科が43万3000円で最も高く、次いで循環器科36万6000円、脳神経外科33万9000円、整形外科33万6000円、呼吸器科29万4000円などとなっている。 外来では平均11万円。泌尿器科25万3000円、内科16万4000円、眼科13万6000円、消化器科13万円、呼吸器12万2000円などとなっている。 患者1人1日当たりの診療収入は、入院では平均3万5234円。心臓血管外科が最も高額で10万3079円であったのに対し、最少額は精神科の1万4350円。外来では平均9650円。最高額は泌尿器科の1万6700円で、最少額はリハビリテーション科が3028円となっている。
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