川井玉堂展5


  • 今日は早めに会場に行った。午前中の日本橋高島屋である。高齢層が多い。階段でため息をついている。外国人もいるみたいだ。
  • 岩手物産展でカマンベールチーズが欲しかったけれど、置いていなかった。
  • 1901年作の湘南海岸のスケッチがあった。海辺で遊んでいる。当たり前だが、とてもうまい。この人が世俗風俗のデッサンをしたら面白かっただろうにと思う。1800年から1810年くらいのゴヤとの大きな違い。玉堂はその後人物を多くは描いていない様子である。 1902年には資生堂パーラーが始まった。
  • 画家が人物を描く時、たとえば玉堂が釣りをする人物を描く時、足の置き方といい、釣り竿を支える様子といい、実にぴったりと決まっている。何かコツがあるらしい。
  • 人々は絵の前を流れて行く。何を見ているものだろうか。多分、速さから推定すると、「これは山の絵」「これは色がきれい」「鵜飼い」くらいの認知だろう。極端に言えば、絵を頭の中で漢字四文字程度に変換して、するすると歩いていく様子である。
  • 簡略な絵を添えて、文字を綴る作品もたくさんあった。こんな風に自在に文字を書けたら素晴らしいですね。八十才になってよかったとか、そんな風なもの。
  • 生々しい人間というよりは、期待されている飄々とした人間を演じつつ描いた様子と見える。多分、展示されていないいろいろな面はあったものだろう。