そんなことよりなにより、
一番弱いめがねの鼻あての部分がどっかにいってしまったようだ。
探さなくっちゃ。
韓国映画「甘い人生」を観る。
2005年。以下、メモしたこと。
・不敗神話を続けている間は不思議に強い。負け始めると普通の人になってしまう。運気という人もいて、流れという人もいる。気持ちが強いうちは負けないものだ。
・日本の政治で、田中、竹下の代替わり。また、長崎市長の二度にわたる被害。
・力を頼んで生きること。逆に、隠棲すること。しかし隠棲することは、負の形で力を頼んでいる。
・本当に勝ち残るものは誰もいない。
・あまりにも甘く始まり、あまりにも荒涼とした展開。
・弧蓬万里を往く。風に吹かれてくるくるとすぎてゆく画面があった。
青山北郭に横たわり 白水東城を巡る
この地ひとたび別れをなし 弧蓬万里を行く
・そこにあるのは、解剖学的死体。
・いやな記憶は消えない。その記憶をつくった人間を消すことはできる。
・必要なのは、もっと圧倒的な力。
・忘れろなんて、無理よ。
・電子レンジの脇のキャンベルの缶詰。
・カチカチと、フットスイッチを手で操作している。この部屋にもある。
・ソファに寝ている。
・お前のいいところは、人の目を気にしないことだ。歳をとると忍耐力がなくなる。
・生まれも育ちも港町、荒っぽいぜ。
・たった一度の失敗が命取りになる。
・やっちまえ。けりをつけろ。圧倒的な力で。
・私ね、静電気がたまる体質なの、車のドアを閉めるとき、バチッとくるのがいやで。だから、いつも足で閉めるの。お行儀悪いわね。ごめんね、分かってくれたらうれしいけど。
・2008年、おしゃべりはやめだ。BMに乗って海風を浴びてチェロを弾く。目標は、バッハの無伴奏、マイスキーの第一回録音。
・人生は、こんな泥沼に咲く花である。みじかい花。
・「なぜ泣くか」「その夢は叶わないから」
・惹かれたのは、鎖骨の線。忘れられないのは、耳たぶのまぶしい白さ。それが人格の印象とどう関係しているか、分からない。疑わしい。美容整形が有効なのは、こういうことだろうか。恋よりももっと原初的。イメージのかけらがフラッシュバックする。恋の意識よりももっと強い呪縛となって人を支配する。いつでもどこでもリプレイされる可能性があり、その点で潜在的に人を支配する。
いい絵がたくさんある映画だ。
ホテルの奥の狭い通路を歩くとき、ちらっと写るいいショット。
強いめがねをかけて、ベッド周りを探して、やっと鼻あてを見つけた。
わたしのハードボイルドなんて、
鼻あて部品を必死に探す程度。