祖母は私に言いました
背筋を伸ばせ
しっかり歩け
あごを引け
逆に言えば、
わたしは姿が悪く、
猫背で、
あごが出て、
だらしなく歩くのでした。
読書の姿勢で固まったままなのでした。
今から思えば、
傷つけるのが申し訳なかったはずの、
誰も言ってくれなかった、
有益な教えでした。
人に親切にしなさいとか、
ご先祖様を大切にしなさいとか、
そんな教えではなかったのが、
あの人らしいいいところ。
今ならわたしは整形されたかもしれない。
プラグマティズム。
この人はリバタリアンだな。
役所も裁判所も必要ない。
自分で交渉した人だ。