てんぷら屋でお一人様をした。
カウンターへどうぞといわれて、
決まってるじゃねえかとつぶやいて席に着くと
やはりカウンターでお一人様をしている女が目に入った。
単に生物分類として男ではないというだけであるのだが、
その人の食べ方を見ていていろいろと考えさせられた。
まず箸がきちんと使えない。
時々こぼしているようでもある。
昼からてんぷら定食にビールをつけている。
ビールはほぼ飲みきっている。
てんぷらを塩につけたりつゆにつけたりしているが、
つゆにつけたほうはもうびしょびしょで
てんぷらの衣が残っている。
カロリーコントロールのために残しているのかもしれない。
白米の上にもてんぷらのつゆがついていてきれいではない。
そして、ご飯も、味噌汁も、てんぷらの衣も、残して、立ち去った。
挨拶もなし。てんぷらの中身だけは全部食べたようだ。
まあ、こちらも体調の悪いときは似たようなものだけれど。
多分、人の目などかまっていられなかったのだろう。
テーブル席ではカップルがデートだろうか。
初々しい雪の日デートである。記憶に残るだろう。残るといいね。
おじさんは応援するよ。
季節を分ける節分の日に大粒の雪が降り、
人々を振り込める。いいことだ。