記事の引用。CMC特別レポートより。
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「悪魔の兵器」地雷の被害によって、手足を失い自由を奪われる人は今なお絶えない。しかし、より深刻な問題は、彼らが手足を失ったコンプレックスによって、心に傷を負うことだ。私たちは彼らの心の傷を癒すために、新しい試みとしてラジオ放送を始めた。
フィジカルケアだけで良いか?
CMCが地雷原の村・ボップイに小学校を建設するまでの過程と、2004年7月の落成前後の状況は前回までの報告の通りである。ともかくも、新しい校舎での授業が始まった。
最初のうちは先生も机も足りずに、1・2年生は合同教室、3年生が1教室と、2つの教室をヨアン先生が行ったり来たり掛け持ちで教えるという状態であった。7月からの長い夏休みを経て、10月新学期が始まるとき、2人の新任の先生が着任し、各学年それぞれ1人の担任が受け持つ体制が整った。
その頃、新しい事業の必要性が提起された。それは、地雷被害者の置かれている実情を知るなかから生まれてきた。多くの被害者は仕事が無く貧しいうえに、手足を失ったコンプレックスで自信を無くしている。引っ込み思案で社会と没交渉になりがちで、その結果、孤独に陥っている人が多い。
人間社会において、孤独感ほど辛いものはない。地雷は、わざと手足を吹き飛ばす程度に火薬を抑えているため、命そのものは辛うじて取り留めるのだが、その後の人生に絶望して自暴自棄になったり、果ては自から命を絶ったりする人もいるのだ。
貧困のなか、健常者でさえ生活が厳しいカンボジアで、地雷被害者が生きてゆくことがどれだけ困難を極めるかは想像にかたくない。ましてや被害に遭った後で親に捨てられた子供や夫に逃げられた女性の場合、いかばかりか…。
地雷撤去活動と地雷被害者救済活動を支援していくことを目的の中心に据えているCMCとしては、被害者への義足の提供や、手術を受けさせるなどのフィジカルな救済のため病院や義足センターを支援してきたが、それだけで果たして良いのだろうか。
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本当に。