玄人さんのチョコ

素人さんからチョコをもらわなくなってから、だいぶ経つ。
普通のお嬢さんからのチョコレートなど、懐かしいような思いだ。
孫たちは何かやっているようだ。
手づくりだとか。

土台、素人さんと知り合うことがない。
普段は閉じこもっているし、
飲むのは玄人さんだ。
今年も少しだけ集まったチョコは、みんな、ホワイトデーの請求書のように思える。

チョコがシャネルに変わるのだから、
なかなかの錬金術である。

それでも、年中行事というものは、去年と比較されるから、
人間浮き沈みを見せてしまうところがある。
これも切ない。
わたしはもう見栄を張ることもないが、
人間は切ないものだ。