札幌市教委が勤務実態調査 「保護者対応」が教員の精神的負担に
02月25日(月)の記事から抜粋
「精神的に負担を感じる業務」は、「保護者・PTA対応」が59.6%でトップ。
約6割が負担を感じる業務に保護者やPTAを選択。
札幌市教育委員会は22日、「教育職員の勤務実態調査」を公表した。
調査は昨年2月、市教委が全市立学校338校の教頭、教諭など7,192人(回答者数6,676人、回答率92.8%)を対象に、「時間外勤務」や「精神的に負担を感じる業務」などについてアンケート形式で実施したもの。
「精神的に負担を感じる業務」(複数回答、回答者数5,410人)は、学級懇談会、保護者との面談や連絡、PTA関連活動などの「保護者・PTA対応」が59.6%でトップ。「個別の生徒指導等」32.6%、「校内での会議・打ち合わせなど」が21.8%と続いた。
「業務以外を含め、日常、精神的な負担を感じていること」(複数回答、記述式)の問いにも、時間外勤務や給与などについての「勤務条件」(35.3%)に次いで、「保護者との人間関係」(25.4%)を挙げる教諭が多かった。
最近は、学校や教師に対し、「クラス替えの時、うちの子とあの子と同じ学級にするな」「集合写真の時、うちの子が端に写っている」などの無理難題を押し付ける保護者の存在が問題視されている。こうした保護者は「怪物みたいな親」という意味から「モンスターペアレント」とも呼ばれるようになっている。
「時間外勤務」では、自主的な時間外業務は教員1人当たり月平均41.4時間。学校行事など学校長の命令による時間外勤務と自宅への持ち帰り業務を合わせると71.7時間にのぼった。職種別に見ると、教頭の時間外業務は月平均72.0時間。持ち帰り業務を合わせると93.7時間と突出している。
時間外勤務などの縮減方法についてのアンケート(複数回答、記述式)では、42.6%が「人員増」、29.4%が「日常業務の効率化・削減など」を記述した。
市教委教職員課では、「平成16年ころから、メンタルヘルスを理由に休む教職員が増えている。年間30日以上休んだ教員は、130人前後(前年までは90人程度で推移)となり、60人に1人の教職員がメンタルヘルスを理由に休んでいる実態がある。教職員だけに限ったことではないかもしれないし、長時間勤務だけが原因ではないと思うが、まずは実態を把握するために調査を行った」と話す。
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実際、モンスターの「熱意」が、教員を圧殺している。