エンバーミング (embalming)

みそラーメンを食べたことと、

アメリカ軍による拷問が、

ただ時間的につながっていたのではなく、

内的連関として自分の中でつながったのだ。


実は、人と話していて、エンバーミング (embalming)のことに話が及んだ。

欧米のキリスト教圏でも、保守的な地域では、

最後の復活を信じていて、

死体を土葬する。

その場合、遺体に悪い病原性生物やウィルスが住み着いていると、

土葬後に、土壌が汚染され、社会が危険にさらされる。

それを防ぐために、遺体に対して、消毒または滅菌する。

また、事故でなくなった場合や病気の場合でも、外見を修復した方がいい場合もあり、

そのときには、整復することになる。


ソ連のレーニンのように、遺体保存を目的として、処置を継続する場合もある。


作業の具体的な内容としては、

感染性生物が存在する部分の消毒。

腐敗の原因となる、腹部内容物の消去と、代替物質の注入。

血液を抜いて、保存性液体の注入。

外見の補正。


エンバーマーと呼ばれる人がいて、

これは医学的な資格は持たない。

おもに葬儀会社に属している。


日本では火葬するので、

また、病院で看護部がきれいにしてくれるので、

特別な場合以外はエンバーミングの必要はない。

事故でクラッシュしていたり、

顔面あたりのガンなどで変形が強かったりした場合には、

出動するのだという。

作業の内容としては、

解剖学実習に使わせていただくご遺体の処置と似ているので、

大体想像がつくのだが、

その人の話によれば、

血液を保存性液体に入れ替えるときに、

圧力をかけて、置換するのであるが、

なかなか作業が進まないことがあるという。

血管内部に脂肪の塊が付着していて、

血管が狭くなっている。

圧力をかけてもなかなか液体が通らず、

やっと通ったときには、「スポーン」と抜けて、勢いよく飛び出し、

作業する人が体の一部に浴びてしまう場合もあるのだという。


腹部内臓は実際手で触って、その塊の大きさにため息をつくこともできるが、

血管の内部にまで、そんなにも、コレステロールの塊がべっとりとくっついているわけだ。

最近は頚動脈のエコーで、動脈硬化の様子などを見ることもできる。


そんな話を聞いていたので、

味噌ラーメン → 脂肪・塩分 → 血管梗塞 → 拷問

と結びついたのだった。

体に悪いと知っていて食べるというのは、

やはり異常ではないか。


最近は、レタスがおいしくて、ありがたい。

みずみずしくて、すっきり冷えたレタスを食べるのは、

心地よい。