取り残されている

春はみんなが楽しそうで
進学や就職や昇進をしているみたいで
花も咲くし
猫も元気で
鳥も鳴いていて
それなのに
わたしはひとり取り残されている気分なのだ

いろんなことが片づけば
少しは気分も軽くなるのかもしれないが
当分片づきそうにもないし
この春も憂鬱なままで
いいニュースもなくて
過ぎるだろう

みんなが苦しいなら少しはがまんできるが、
みんなが楽しそうに見えているとき、
わたしはとても悲しい。

報われないといっても、
どうなれば具体的に報われるのか分からない、
そのイメージも湧かない感じだ。

録画用ハードディスクが一杯になってしまって、
見る時間もなくて、
ディスクに移す気力もなくて、
どうにも仕方がない感覚。

春は来たけれど、
私のところには来ないし、
春は行くけれど、
私は取り残される。