自然界や生物界は緻密に織り上げられて、隙間のない織物で、
人間がうっかりどこかの一部分に変化を加えたりすれば、
いろいろな予期しない影響が出てきて、
世界の各部分はここまで密接に関係しあっていたのかと
驚かされる。
逆に言えば、無駄がない。
無意味というものがない。
無益と見える存在にも益があり、
益が上回るからこそ、この世界で存在を許され、
世代を経てますます緻密に織り上げられているのだ。
かなり厳しい、ぎりぎりの生存競争が続いたとき、このような
極端に精密な織物が成立したのだろう。
人間が虫歯になるのは、マイナスばかりなのだろうか。
とりあえず歯医者が儲かるが、それだけではなく、それ以前に、
虫歯にもプラスの価値があったのではないか。
肺炎球菌にも、ピロリ菌にも、いろいろな面があり、
利害得失の総合点で評価されて、
この世界に場所を与えられているのではないか。