料理の具材

お料理の腕は
半分は相手の体調を「読む」事ではないかと思う

のどが悪いときに
生姜を使った料理を出してあげるとか

夫の機嫌が悪いときも
妻は食べもので気分をなだめることもできる

大好きなものをおいしく出されれば
怒りも忘れるというものだ

煉瓦亭の奥でデミグラソースの大きな缶詰を開けていた光景はショックだったが、
それは素材というもので、そこから味を深めていくのだという。
わたしはまずたまねぎをみじん切りにして、小麦粉とバターとという具合で作るのかと思っていたので、
なんだか邪道だと思ったのだ。
そうではないらしい。
その人は、ハインツのデミグラソースを使うのだが、
二種類あって、最近は値段の高い方だけ使っていて、
これだけは妥協できないし工夫もできないと言っていた。
じつは私もそう思う。

中華街の店はおいしい店が多くて、
わたしはおこげとかチンゲンサイのクリーム煮とかが好きだった。
あんまんに付き合うときは、わたしはごままんを食べていた。
鎌倉に住んだときは、鎌倉駅の銀座アスターがなかなかおいしくてよく食べた。
中華街まで行かなくなった。
道が渋滞して鎌倉から行くのが億劫だったこともあるけれど、
あるお粥屋さんの裏で、レトルトパックのお粥の箱を大量に見てしまったことも理由だ。
しかしそれも素材というべきだったのかもしれない。

物を知らない人間は誤解する。