岩波新書と講談社新書、中公新書、そのあたりに笠原嘉先生の、
精神病、精神科医療についての、一般啓蒙書があり、
今現在でも、抜群のものだと思う。
専門家同士で通じる論文執筆と、
一般啓蒙書や子供向けの本の執筆とは、まったく違う才能だと思う。
今後、笠原先生のように、
ドイツ-日本精神病理学に通じ、
精神分析、フロイト、ユングと認知行動療法に通じ、
自己心理学を消化し、
さらに薬理学に詳しく、
脳機能画像解剖に通じ、
リハビリテーションについて通じ、
特に、最近の外来精神医学での軽症化を初めとする諸事情に通じ、
さらに産業精神医学や諸外国の精神医学にも通じている人となると、
かなり限られてくる。
これを分担執筆ではなく、一貫した視点で、しかも簡潔に、一般向けに論じる。
人材としては、原田誠一先生や染谷先生だと思うが、
内輪誉めではなく、
原田先生に儲からない新書を書くようお願いしたいものだと思う。
小木先生のようなタイプの秀才とはまた違う才能の書いた、
一般読書人向けの本が読んでみたい。
岩波新書編集者は原田先生にもうすでに執筆をお願いしているとは思うが、
念を押して励まして欲しいものだと思う。