23歳女性教諭の自殺に現役高校教諭が意見
赴任からわずか2ヶ月の東京都の公立小学校教諭が、23歳という若さで自らの命を断つという痛ましいことが起きた。遺書の中には自分の無力さを責める内容が書かれていたという。
この事件を知ったある地方の公立高校の新人教諭はこう話す。
「この事件を知った時、『他人ごとじゃない』と思いました。小学校の教諭と高校の教諭では仕事の内容は違いますが、それでも何十人もの子供を預かっているというプレッシャーはありますから。私の赴任している高校は進学と就職の割合が大体半分ずつの学校なのですが、就職希望の生徒に合わせた授業をすれば進学希望の生徒から不満が出る。その逆も同じです。
基本的に就職希望の生徒は今が自由に時間を使える最後ですからある程度のやんちゃは目をつぶってあげたいし、でも、それを進学希望の生徒に当てはめると学力が下がってしまう。相手によって態度を変えれば『えこひいきだ』と言われてしまう。
ベテランの先生からは『肩の力を抜いてやらないと潰れるよ』と言われるのですが、子供たちのことを考えると一生懸命にならざるを得ないじゃないですか。だから8時に学校を出ても家に帰ってから授業方針や生活指導などをどうするか考えて気が付くと朝なんてことはざらにあります。でも、自分の無能さを日々突きつけられるようで頭がおかしくなりそうになることもしょっちゅうです」。
そこまで大変なら他の教師からサポートを受けたり仕事をシェアするなり負担を軽くする方法がありそうなものだが…。
「結局、授業でも指導でも1人でやらないといけませんからね。アドバイスは頂きますが結局自分で消化するしかないです」。
「でもしか教師」と言われた時代とは異なり少子化が進む現在、教師を希望する人間はかなりの熱意を持っていると他の学校関係者は話す。
この件も熱意が却って仇となったのだとしたら、何ともやるせない話である。