呉服で1385万円の借金自殺女性の悲劇 悪徳業者の手口

呉服で1385万円の借金自殺女性の悲劇 悪徳業者の手口
 50代の女性が約1385万円の借金を苦にうつ病を発症させ自殺するという事件が起きた。死後、自宅からは大量の呉服が見つかったという。家族からは「質素な母が何故こんな買い物をしなければならなかったのか?」という声が上がったことから、日頃の彼女は決して浪費家ではないことを伺わせる。

 では、一体どうしてこのような痛ましい事件が起きてしまったのか? 以前、毛皮などの衣類の展示販売をしていた男性はこう話す。

 「多分、この女性も知り合いか何かに呼ばれて半ば無理矢理販売会場に連れていかれたのではないでしょうか。悪徳な販売業者だと連れてきた客が商品を買うまで帰さないということがざらにありますからね。しかも、そういう業者は知り合いなどで人の頼みを断り切れない気弱な人に予め狙いを絞りますから。

 そういうところで商品を買ったら、『カモにしやすい客』という情報が流れて次から次へと似たような業者がやってきます。そうなったら抜け出すのは至難の技ですよ。おそらく彼女もまたそういう悪徳業者の犠牲者だったのではないでしょうか」。

 一時期、秋葉原を歩いているとメイド姿の女性が「宝石に興味ありませんか?」と声を掛けてきて付いて行ったら宝石の展示販売会場だったということが多々あり問題となっていた。

 普通、呉服や宝石などの高級品は平均収入の暮らしでは滅多に買えるものではない。しかも、半ば無理矢理押し付けるように販売する業者の商品は、販売価格と実際の価値に大きく隔たりがある事が多い。「1度手を出したら骨までしゃぶられる」ということを念頭に入れ、毅然とした態度で断る以外に逃れる術は現在のところないようだ。