黒髪が背中を飾るのか

黒髪が背中を飾るのか
背中が黒髪を飾るのか
椎骨の隆起と窪みの陰影

やや振り向いて
含むように笑い
ゴールデンウィークの始まりを告げている

汝が黒髪よ
触れれば重きその愛よ

はじらいも
誘惑も
ここに実在する
わたしはここで離人から解放されるのだ
存在そのものに触れるのだ

湿りつつ重みを増してゆく
それは汗
それはフェロモン

皮膚の下に静脈
その下に解剖学が透けて見える

汝が眼差しは
たっぷりとして
この宇宙の謎を忘れさせる