クラスター爆弾禁止条約と対人地雷禁止条約

クラスター爆弾 即時全面禁止条約案を全会一致で採択
5月31日10時29分配信 毎日新聞

条約案採択を前に開かれたNGOの会合で、笑顔を見せる被害者のカペタノビッチさん(中央)と仲間たち=2008年5月30日、澤田克己撮影
 
 【ダブリン澤田克己、福島良典】不発弾による市民の被害が絶えないクラスター爆弾の禁止・全廃を目指しダブリンで開かれていた軍縮交渉「オスロ・プロセス」の会議は30日、クラスター爆弾を事実上即時全面禁止する条約案を参加約110カ国の全会一致で採択し閉会した。12月上旬にオスロで署名式が開かれ、30カ国が批准した段階で発効する。日本は全面禁止に難色を示してきたが、福田康夫首相の政治判断で条約案への同意を決めた。

 非政府組織(NGO)と有志国が主導した軍縮条約案策定としては対人地雷禁止条約(99年発効)に続き2例目の成果。軍事大国の米露が参加する既存の軍縮枠組みの外で、軍縮の国際合意が形成される流れが定着した。

 オスロ・プロセスは昨年2月に開始。5回目のダブリン会議で、最大の難関だった条約案とりまとめと採択にこぎつけた。

 日本首席代表の中根猛・外務省軍縮不拡散・科学部長(大使)は「日本は条約案採択のコンセンサスに参加することを決めた」と条約案への同意を正式表明した。署名に関しては「日本の安全保障環境に注意を払いつつ、条約案を真剣に検討し、適切な措置を取る」と述べるにとどめた。独仏などは署名の意向を宣言した。

 条約案は締約国に対して、攻撃対象識別機能や電子式の自爆装置を備えるなど不発率が極めて低い「最新式」の一部を除き、すべてのクラスター爆弾の「使用、開発、製造、入手、貯蔵、保有、移転(輸出入)」を禁じている。保有国は条約発効後、原則8年以内に廃棄する義務を負う。

 条約が発効すれば、現在、世界に存在するクラスター爆弾の「99%」が禁止対象となり、「過去に紛争で使用されたすべてのクラスター爆弾が禁止される」(オキャリ議長)ことになる。自衛隊が保有するクラスター爆弾もすべて禁止対象。

 また、条約案は医療・リハビリ・社会復帰などでの手厚い被害者支援を盛り込み、過去にクラスター爆弾を使用した国が相手国の不発弾処理を技術・財政的に援助することも求められている。

 日欧など米国との同盟国の事情に配慮し「非締約国との軍事協力・作戦に関与できる」との条文が加わった。

 ◆クラスター爆弾禁止条約案骨子◆

一、「最新型」爆弾の一部を除き使用、開発、製造、保有、移転を禁止する。

一、原則8年以内に在庫を廃棄する。

一、不発弾を10年以内に処理。爆弾使用国は処理に協力する。

一、被害者を支援する。

一、非加盟国との軍事協力・作戦に関与できる。【欧州総局】
 
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アメリカ、ロシア、中国、韓国、北朝鮮は不参加とのこと。
でも、単純に、少しでもいいほうに、と喜びたいものだ。
対人地雷禁止条約につづく、良いことだ。