アメリカの毒を食らう人たちという本があって
アメリカで、
幼児に接種が義務付けられているワクチンに、
ある保存剤が添加されていて、
そのせいで自閉症児が急増しているという説があるとのこと。
予防接種のワクチンの防腐剤として使用されている、
水銀の含まれた「チメロサール」が問題。
水銀は神経細胞の樹状突起の伸長を阻害することが知られている。
因果関係の立証ははっきりしていないのではないかと思うのだが。
そのほかにも
マンモグラフィーがかえってガンの原因になるとか、そんな話。
一時期がん検診の有効無効が話題になったものだ。
毒性や病気との因果関係が科学的に立証できないうちは使う
という方針でいいのかどうかは難しいところ。
利益と不利益の天秤であるが、
どんな天秤になっているのか、難問である。
共和党右派キリスト教原理主義のハルマゲドン待望論の不毛を告発する
という話題もあり、
そのあたりは日本でどのように受け取られるのだろう。
「13の月の暦」と、アメリカのイラク侵略やイスラエルのパレスチナ侵略の話など。
毒入り餃子や
発ガンうなぎなど
日本は日本で恐怖が一杯だが。
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検索すると以下のような記事がある。
「ワクチンに添加されている保存剤」とは、水銀を含むチメロサールのことであろう。1998年のLancetにMMRワクチンと自閉症の発症の関連を示唆した論文が発表されたが、後に撤回された(■英医学雑誌が「ワクチンと自閉症の関連示した論文の掲載は誤り」と発表(A Forward-looking Child Psychiatrist)を参照)。ワクチンそのものだけではなく保存剤のチメロサールも、自閉症と関係するという証拠はない。以下のページがよくまとまっている。
旗色の悪くなったWakefieldは、2003年になると今度は、腸炎や生ワクチン中のウイルスの感染が問題なのではなく、ワクチン液中に含まれている防腐剤の水銀(チメロサ-ル)が自閉症の原因なのだと主張し始めました。実は2001年にBernardというアメリカの心理学者が、DPTに含まれるチメロサールのために自閉症患者が激増しており、その自閉症の症状と水銀中毒の症状は酷似している、とMedical Hypotheses(医学の仮説)という雑誌に発表していたのです。Bernard自身は医師ではなく、単に水銀中毒と自閉症患者の症状が似ているというだけの仮説でしたが、この主張はアメリカで反響を呼びました。当時アメリカ上院議会議長であったDan Burton議員(共和党,インディアナ州)は、自閉症の孫を持ち、その原因がワクチンによるためだと固く信じていました。彼の裁量によって、アメリカでたびたびワクチンと自閉症に対する公聴会が開かれ、JAMAによると彼はThe US Institute of Medicine(IOM) という公的機関の報告文書(MMRと自閉症の因果関係の証拠がないとした報告)を机にたたきつけ、激怒し赤面しながら,「You don't know there's no link、 do you? Do you?」と叫んだということです。
しかし何としてもチメロサ-ルを「極悪人」にしたてたいBurton議員の”奮闘”にもかかわらず、チメロサ-ルと自閉症の間に明らかな関連がある、という信頼すべき報告はほとんどなく、逆にチメロサ-ル含有ワクチンが自閉症と無関係であるという報告が相次ぎました。Madsenらのデンマークの研究、Stehr-Greenらのカリフォルニア,スウェーデン,デンマークを結ぶ国際的な研究などは、チメロサ-ル含有ワクチンの使用を止めてからも自閉症が増え続けている現状が報告されています。
そして、「チメロサ-ルを含むワクチン接種と自閉症が関係しているという仮説は、立証はされていないが、可能性はある」という報告を2001年に出していた、The US Institute of Medicine(IOM)も、2004年に最終的な調査の結果をまとめ、1.チメロサ-ル含有ワクチン、およびMMRワクチンは、いずれも自閉症を引き起こさない。2.自閉症とチメロサ-ル含有ワクチン、およびMMRワクチンに関係があるという仮説は、これを支持するデータはなく、結局単なる仮説にすぎない。という結論を公表しました。
要するに、ワクチンに添加されている保存剤によって自閉症児が急増しているという説には十分な根拠はないというのが現在のコンセンサス。現在、ワクチンと自閉症の関連を強固に主張しているのは、ホメオパシーやキレート療法を行うインチキ医療家とその信者ぐらいである。ネットで検索してみたら、案の定、「アメリカの毒を食らう人たち」はホメオパシーを支持する人に好意的に受け入れられている。
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という具合である。
しかし議員の孫がそうであるという「自閉症」なるものの本当の原因が見つからないうちは、
今後もあれこれの説が立てられるだろう。
2003年のランセット誌では、「役に立たない科学者(junk scientists)や
お金めあての弁護士,そしてすぐに真に受けるジャーナリストによって,
親の不安が利用されるのは恥ずべきことである」
と書いているらしい。
junk powerはあなどれない。
本当に強力なのだ。
positiveな証拠を示し、positiveな対策が確立するまで
多分飯の種にするだろう。
実際、本当の原因はなんだろうか。
知りたいが、現状では謎である。