ルックス、才能、財産、人脈、
これらはみんな一種の乗り物なのだと思う。
東京駅から、徒歩で、鈍行で、特急で、新幹線で、飛行機で、
それぞれ一時間をかける事を考えると、
歩くのはもちろん疲れるし、
豪華な飛行機の席もあるだろうけれど、
一時間を生きるという点では変わらない。
品川だったり、小田原だったり、いろいろだろうけれど、
到達点が遠いか近いかは
分かりやすい違いだが、
本質的ではないと思う。
さっさと用事を片付けるという点では
乗り物に目的に応じた優劣はあるけれど、
一時間を充実して過ごそうと思えば、
乗り物がなんであっても、
さして変わりはない。
健康にいいのは歩くことだとも考えられる。
自分で運転する自動車が一番自由かもしれない。
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ルックスのおかげで得をしている人もいると思うけれど、
マイナスのルックスのおかげで人格に磨きがかかっている人だっているのだと思う。
プラスのルックスのおかげで人に傲慢だと思われたり
同性に嫉妬されたり、そんな人もきっといるだろう
美人という種族とは話したこともないが、
美人に苦しめられているという男性の話なら聞いたことがある。
あまりよくないもののようだ。
こう思うのも偏見かもしれない。
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不美人が普通の付き合いの範囲で言えば、
不都合な乗り物でも手入れをよくして大切にしている人ならば
何かきっと人とは違ういいところがあるだろうと思う
簡単に言えば
人にわがままを言えないし
人の好意をあてにしてもいけない、
そこを出発点にして生きてきた人ならば、
そうでない人たちに比べればいいところがあるはずだと思う
マイナスの分を何かで補っているはずで、
それは大切なことだと思う
人生は得と思ったことが実は損になっていたり
損がいつの間にか得になっていたり
長生きをすれば多分得の方が多くなるような気がする
短命で終われば偶然に左右される
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人間という存在自体が
DNAの乗っている乗り物である
脳はDNAを乗せている乗り物の一部でしかないはず
しかしいつの間にか自意識が発生している
この言葉を書いているのも脳の働きで
このことがDNAのことにどう関係するか考えるとどうも
誤動作のような気がする
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人間はいつの間にか与えられたものが自然だと思い込んでいる
それが普通になる
それも不都合なことだ