ネット社会が拡大させたもの

ネット社会は人間の何を拡大させたのか

情報量の増大 たとえば各年度の経済白書を今すぐに読み比べることができる そしてその筆者の立場についてクリティカルな判断を下すことができるならば、あなたの読解能力についてはまだ鈍っていないと言うことができる

匿名性の情報 裏学校サイト 商業的先導者のいない裏切りと中傷誹謗の自己増殖 油を加えなくても火が消えない 最初は悪の自覚のあったものさえも、多数を背景にして、居直る

情報の部分的拡大 意図的拡大と無意識的拡大と

知識の断片化 百科全書的体系的知識からの抜書き 検索システムの特性と限界

ある特定グループの宣伝としての記事 宣伝と公平な記事の融合

複製加工情報の氾濫

複製でない、真に新しい情報の見つけにくさ

偽造捏造の氾濫と開き直り 偽造捏造も芸である
たとえばアイドルの生成 中国の新しい口パク王女

たとえば性的記号は日々過激になりつつある
これは技術が欲望を拡大する方向にしか変化しないので不可逆的である
ヤザワ永吉をソニーのブルーレイでぜひ見たい人は多くはないと思う

政治思想の振幅については
振幅は大きくなり
周期は短くなり
ファシズムのような過ちは繰り返すまいと唱えつつ
ほんんど集団の狂気に近いところまで行っている
嵐が過ぎなければ
理性は圧殺されたままである

気まぐれな会話の増大

気まぐれな買い物の増大

ネット社会に適合したスターの誕生

賞賛の拡大と憎悪の拡大

集団の理性は個人の理性よりも劣等である
三人寄れば文殊の知恵であるが、
千人がよれば、その平均以下の知恵にならざるを得ないと思われる。

小さな間違いはより多いが大きな間違いはより少ない
それが民主主義のひとつの根拠である
ところがネット世論は小さな間違いはより多く
大きな間違いもより多い

ネット社会では、個人の発する本質的情報である、
表情、日ごろの態度、他人に対する接し方、生きかた、
それらが捨象され、あるいは捏造されて、提示され、また隠蔽される。

誤解を招くのはよくないが、
「この文章を書いているのはこの人なのか」と一目見て、多くの事を納得できるのだ。
また一方、その事を利用して、「筆者のイメージ」を捏造することが出来て、
結局のところプロデューサーの人間性に行き着くことにもなる。

また、人間性は最低としても、文章は毅然として価値を放つ場合もある。