市場へ行く人の波に 身体を預け
石畳の街角を ゆらゆらとさまよう
祈りの声 蹄の音 歌うようなざわめき
わたしを置き去りに 過ぎていく白い朝
時間旅行が心の傷を
なぜかしら埋めていく不思議な道
さよならだけの手紙 迷い続けて書き
あとは悲しみをもてあます異邦人
異邦人 久保田早紀
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傷心を慰めようとして旅という発想は私には無理
そんな元気はない
わたしを置き去りに過ぎてゆく白い朝という感じはよく分かるけれど
こんなデパーソナリゼーションの状態でも
さよならの手紙を書くなんてとてもきちんとしているんだなあと感心する