原初の景色はこれである
母が赤ん坊に乳をくれている
母は気まぐれで乳をひきあげることもできる
赤ん坊はただ泣いて哀願することができるのみである
生存権の倒錯の景色はこれである
赤ん坊が母の乳を吸ってやっている
母は安心して喜ぶ
赤ん坊は怒って母の乳を吸ってあげない
母は後悔して泣いている
赤ん坊が支配者になってしまう倒錯がここで起こっている
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この倒錯の延長で拒食と過食を考える
拒食は母を拒むこと
過食は母を喜ばせること
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この倒錯は広い範囲で起こっている
一般に支配者と被支配者の倒錯
被支配者が生存権の物語に守られ
支配者が生存権の物語により精神的に縛り上げられる
親は子供に支配され
学校教師は親に支配される
そのようにして連鎖は延々と続き
日本は絶望工場の燃え尽きた煙突になる