スポーツと武道の違い

俺はさ、武道、やってんの。
武道、わかる?

これはね、スポーツと違うの。
勝てばいいとか、一か八かとか、そんなモンじゃないの。
スピリッチュアルなエレメントがモーメンタムになって
ミーをドライヴしてるんだな

えーとね、これはね、
こころの問題だからね、
言葉で言うのは難しいな

ほら、このグラスの氷、冷たいでしょう、
この冷たい感じ、どう言葉で言ったらいい?
むつかしいよね
冷たいとか気持ちいいとかくらいしか言えなくて
実際に氷を食べてもらうしかないじゃない

それと同じでね
スポーツじゃない
武道を修練しているときってね、
ぜんぜん違うの、それはもうぜんぜん違うんだ

これはね、こころの成長のストーリーなの
たとえばさ、甲子園でヒット打っただけでガッツポーズするでしょう
あれは違うんだなあ
惜しいけどあれは違う
レロウ ディファレンス

王貞治がホームラン打つたびにガッツポーズしないでしょう
あれはね、技術を追求して行って、当然の結果だから
本人にとっては全く当然の勝利なの

そして、当然のことを当然のようにやってのけることが
人間として最高の到達

できないことを偶然できたとして
それは武道ではうれしくもなんともないことでしょ

きちんとできるように修練して
チャンスが来た時にきちんと練習どおりにできる
これがミーのトータル・ゴールなの

反則ぎりぎりも作戦だとか言う?
バカ言ってんじゃないの
それはまるっきり逆
ずるさも必要?
それもダメ
相手をイライラさせて勝つ?
そんなモンは勝ちじゃないし作戦じゃないでしょ
スポーツではそれはありかもしれないよ
知らないけど
スポーツマンシップってあるんだと思うけど
もうテレビでは見られないよね
ショーだから単なる

横綱相撲ってあるよね
分かる?
相手の得意にまず組ませるわけ
右四つとかのど輪とかそんな形
そして
そこからね
力と技でねじ伏せていく
これが快感だ

いい?
相手の体を考えるよ
前に出ようとするとき
後ろに引っ張る筋肉も働いてるよね
筋肉の強い人は
前に出る筋肉を鍛える時に
後ろに引く筋肉も鍛えてるわけ

そこがポイント

もうわかったよね

相手が攻撃しようとする、
相手は前に出てくる、
するとね、同じくらいの力で相手は後ろに行く筋肉を緊張させてる
それを俺は自分の力にして利用するんだよ

だから俺のパワーはざっとみてダブルになってるわけ
それなら相手がどんなに怪物でも
相手の裏の筋肉プラス俺の筋肉だから
俺が勝てる道理じゃない
必勝なんだよ

これだけのことをまず考えて
武道に挑むの

だから相手なんかあまり関係ないのよ
だって
相手の力は表と裏の筋肉でプラスマイナスゼロくらいになってるわけ
あとはその爆発のタイミングをこちらで
決めてやればいいわけだ
それが武道なんだ
俺の言う武道ね

卑怯な作戦なんか
いらないでしょ

ワイズでスマートでハンサムに
勝負しちゃうね
武道は自分との戦いなんだ

自分
これが最大最強のライバルだよ