テレビゲームが過剰な攻撃性を育てているようだとする論述に対して、
もう少し細かく、どのようなゲームか、元々どのような性格かをクロスさせて、
ゲームをしたあとの気分の変化を検証した例がある。
テレビゲームのあとで気分がすっきりした、落ち着いたと語る人もいる。
格闘ゲームをすると、30分後には交感神経優位になり、気分はポジティブに変化する。
受動的攻撃性が高い人は格闘ゲームによって、敵意、混乱が高まる。
怒りの抑制困難が強い人は疲労が高まる。
非格闘ゲームでは、
受動的攻撃性が高い人で疲労、
罪悪感が強い人で活気が低下していた。
受動的攻撃性が高い人はテレビゲームによる気分の変化が大きいと言えるかもしれない。
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わかりにくい。
心理測定にはSRASを用いている。
受動的攻撃性Passive-Aggressive personality とは、
面と向かって反撃しないが、間接的に相手に打撃を与えるように計画された戦略的行動が見られる因子と定義されている。
たとえば、本当はしたくない仕事をすると引き受けて、遠まわしにその仕事が遂行されないような手を打つ。隠された敵意。
以下のような攻撃性についての解説もある。
因子分析によって攻撃性が6つの因子(要素)から成り立つことが分かっている。その6つについてより深く検討すると、まず「短気因子」は衝動的に生じる(行動するのに目的を持たない)攻撃性要素であり、それ以外の5因子は目的を達成するための戦略的・機能的な攻撃性要素であると言える。さらに後者を細かく分類すると、「自己主張因子」と「支配・強制・他者を見下したり悪態をつく因子」2つは外向的で能動的な攻撃性、「仕返し因子」は外向的で受動的な攻撃性、「目立ちたがり屋・負けず嫌い因子」は内向的で能動的な攻撃性、そして「警戒
心因子」は内向的で受動的な攻撃性要素であると考えられる。つまり攻撃性とは「衝動的に生じる(目的はない)か、目的を達成するために意図的に生じるのか」、「外向的か内向的か」、「能動的か受動的か」の3つの次元によって成り立っていることが分かった。
これらの6つの因子を見ても分かるように、攻撃性とは我々が生きていく中で必要不可欠な要素ばかりをもった性格特性である。一般的には攻撃性というものはマイナスイメージをもたれる場合が多い特性であるが、決してそれだけではなく、「競争心」や「自己主張性」のよう
に生きていくための活力となるような要素も十分に含んでいる。
また、攻撃性の促進因および抑制因となる主な人物に関しては、ともに友達や母親など自分にとって身近な存在である人が抑制因にも促進因にもなりうるのだということが言える。これを理解したうえで他者のイライラを広い心で受け入れ、イライラを発散させてあげようとす
る意識を持つことができれば今よりも円滑に人間関係を育むことができるのではないだろうか。