ウェブサーフィンは高齢者の脳に刺激を与える
ウェブに通じたベビーブーマー世代や高齢者は、インターネット検索中に、より多くの脳領域を働かせている
【10月14日】グーグル検索をすることは祖父母世代に良い影響を及ぼすことが、UCLAの研究者による新規研究によって明らかになった。
ウェブ検索中の脳の活動を調べた研究から、興味をそそる知見が得られた:すなわち、インターネットに詳しい中高年者は、初めてウェブサーフィンをした同年代の人々よりも、意思決定および複雑な推論を行う脳領域がより刺激されたというのである。
さらに、読書ではインターネット検索と同じ数の脳領域は刺激されなかった。
Parvin Foundationが資金を提供したUCLAの研究には55 – 78歳の成人24例が参加し、その半数は1日1回から1日に何回もウェブ検索をした経験があった。残りの半数はインターネットを全く使用したことがないか、使用するのは1カ月に1回までだと報告した。被験者には認知症のような神経学的疾患はなく、年齢および教育レベルは同様であった。
読書およびウェブ検索中の脳の活動を測定するため、24例の成人が新規のインターネット検索をするか、または本のような形式で表示したコンピュータ画面上のテキストを読むという、両方の活動を別個に行い、それらの活動中に機能的磁気共鳴画像(functional MRI)スキャンを受けた。
読書が両群において同じ脳領域を刺激したのに対して、日頃からインターネット検索をしていた被験者は、新規のインターネット検索中に、特に意思決定および複雑な推論をコントロールする脳領域において、対応する被験者の2倍も大きな脳活動の増大を示した。
「研究結果は、コンピュータ化された新たな技術が生理的影響を及ぼす可能性があり、中高年の成人にとって潜在的な利点を有する可能性があるという希望を与える」と、UCLAのSemel神経科学・ヒト行動研究所の教授であり、同校の記憶・加齢研究所の部長でもある首席治験責任医師のGary Small博士は述べている。
「我々が得た最も目覚ましい知見は、インターネット検索は、読書中には活性化されない、より多くの範囲の神経回路を働かせるように思われるが、しかしそれは以前にインターネットの経験がある被験者に限られていたということであった」。
Small博士は、被験者が検索の経験が豊富であったほど、より多く脳が働かされたと結論づけている。
Pew Internet & American Life Projectの調査によると、インターネットの使用は米国のすべての年齢群において増加しているが、毎日Web検索をするベビーブーマー世代および高齢者ははるかに少ない。8月に発表された報告書によると、50 – 64歳の成人の40%および65歳以上の成人の27%が毎日オンラインで情報を得ているのに対して、18 – 49歳の成人ではその割合は約55%である。研究では、18歳以上の成人2,251例を今年の4月8日から5月11日まで調査した。
Small博士は、ウェブの経験がより少ない人々はオンラインで情報にアクセスする手段を理解していなかった可能性があったが、もっと時間をかければ「より経験が豊富な群と同じ脳の活性化パターンを示すかもしれない」ことを認めている。
本研究は、次号の『American Journal of Geriatric Psychiatry』で発表される予定である。
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解釈については留保であるが。
脳活動の増大とは何を意味しているかを検討しないといけない。
それにしてもまあ、いい報告もあって安心するところもある。