10月末に日中首脳が会談、ドル基軸体制の維持に努力と合意。
しかしアジアの金融安定化に向けた新しい枠組み作りを話し合うべきだったと批判されている。
新自由主義は悪い、古い、というわけだ。
しかしながら、EUという枠組みが作られたのは、
アメリカが一国で君臨しているのを苦々しく思っている、
マイナスの動機で、まとまっただけで、
アメリカ支配が終焉するとなれば、
なにもいやな奴らと同じテーブルに着いている必要はないと考える人たちもあるだろう。
近いほど憎しみ合うものだ。
新しい枠組みといっても、結局EUの東アジア版のようなものだろうけれど、
中国国内の貧富の差、日本でも拡大しつつあるといわれる貧富の差、これを対策しないで、
域内自由経済かつ固定レートのようなものにしたら、
貧富の差の固定化になってしまうだろう。
それがいいのだといわれれば一言もないが。
第一中国に何のメリットがあるのかよく分からない。
そもそも戦争で占領されるから、仕方なく通貨などを受け入れるわけで、
そうでもなければ、どの国も、したくないに決まっている。
EUは戦争以外でまとまったけれど、このままではアメリカ一極集中が続くと焦ったからだろう。
広い心からではなく、頭に来たからやったに違いない。
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単純に考えれば、人と人との交流が増えて、情報交換も頻繁になっているのだから、
全世界を一つの統治権力の下に置いて、
金融政策も全世界を対象にして、合理的に決めればいいはずのことである。
日本だってどこだって、部族対立の時代から小国乱立、統一国家という具合で、
それは当然の成り行きだ。
しかし武力以外で統一されたことも少ないだろう。
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世界政府になったとき、世界の多様性をいかにして維持しながら、
価値観を共有していけるか、考える必要があり、まだまだ先のことだと思う。
その点ではリバタリアンは普遍的で分かりやすいコンセプトをもたらしてくれた。
これは共有していい価値観だったと思われる。
しかしながら発展の時間差が明らかにあり、
それを無視して、進めるのも現実的ではない。