妄想につきあう周囲の人は苦しいのだけれど
妄想しているご本人もやはり
相当に苦しいのだと思う
現実と辻褄の合わないことを信じ続けて
まわりにも言い続けることは
やはり相当なエネルギーが必要だ
人にも嫌われるし
世の中のこと万事うまくいかないしで
一つもいいことはない
それでも妄想し続けなければならないところが
妄想の恐ろしいところだ
妄想は自分を反省しないから
八つ当たりのように
犯人探しをして
周囲の人を責めるようなことにもなり
みんなが困る
ほんとうの原因は何かということが
長い時間のうちに分からなくなってしまう
妄想の怖いところはそこで、
自分の考えていることが妄想なのだと自省する脳の回路が壊されてしまう
そこだけが壊れていて
ほかは理論的だったりすると
自分では正しいつもりで他人には理解されない
いろいろなことをいうようになり
積もり積もって困難が昂じる
非ユークリッド幾何学の大系というものがあって、
非ユークリッド的前提をおくとあとはすべてが自動的に論理によって導き出され
それはそれで無矛盾の世界になる
それと似ていて
なかなかの難物である