救急搬送先が見つからない問題

救急搬送先が見つからない問題については
軽々しく決論も出せない問題なのだがひとつにはこのような事情もあると書くとすれば
次のようになる

いま各自治体病院が猛烈な赤字で
一方で民間病院の淘汰・統合が進んでいる
一部の医療法人は着々と巨大化していて、
ちょうど町にある個人自動車工場から50年くらいかけて
国家的企業になるように、成長しつつある。
多分しばらくすれば巨大医療法人同士の吸収とか合併とかが見られて、
いろいろなドラマがマスコミに流されるだろう

巨大化している病院グループにはいったいどんなノウハウがあるのかと思うと
いろいろと考えさせられる
人事管理から仕入れとか施設管理とか専門家が関与する

救急について言えば、
麻酔科医とか看護職とかのスタッフの問題も大きいのだが、
ベッドも含めて、
腕のいい経営者はどう行動するかを考えて欲しい

腕のいい経営者はベッドをいつも満床にして職員は過不足なくフル稼働させるはずである
余分な在庫を持たないトヨタ方式に似たものである
医療資源をMaxに生かすとすれば
発生するかしないか分からないような救急患者を待つために
ベッドと人員を確保しておくのは経営として腕がいいとは言えない
この部分では明らかに公益と企業利益が相反する

医療を批判するのと同じ調子で自動車産業を取り上げて欲しい
この対比は比較的分かりやすいと思う
人を絶対殺さない車を作れと企業に要求すべきだ
人の命と企業の利益とどちらが大事なんだとニュースショーで叫んで欲しい
自動車人の志の問題だと言い切って欲しい
自動車産業経営陣は儲けすぎていると言い放って欲しい
アクセルを踏めば100キロでも200キロでも出る、
鋼鉄の車体が人を殺しているとはっきり言って欲しい。
徹底的に、絶対に、あらゆる方策を尽くして、必ず、すべての局面から、検討し尽くせと叫んで欲しい。
いつもの調子で。

民間の経営者は赤字部門は遠慮することになり
公立の施設で診てもらえないかということになる
そこでは慢性の赤字

公務員にやる気を出してもらうのが難しいのは
どこの国のどの分野の公務員も同じ

いったん落ち着いたら様子を見て
民間は後方病院として受け入れてもいいということになる

平たく言えば
採算部門ではないから撤退する

採算がとれるようにすればいいだけなのだけれど
予算が取れない

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考えて欲しいのだが
たとえば道路予算から医療福祉予算に振り替えたとする
すると労働力が振り替えられて
さまざまな利権もくっついて回る
建築土建関係に関する利権はみんな知っているようないろいろな世界が関与している
予算と一緒にそんな勢力もくっついてくるので
なかなか大変なことになると思う

道路を造るときとか家を建てるときの感覚が医療の世界にも入り込んできたとき
どうなるだろうか

大工さんとお医者さんは似ていないと言えないこともない

土建屋の社長さんが選挙に立候補して議員になることはよくある
土建屋は集票マシンとしてよく機能する
議員は公共事業を決定する
医療法人の代表が立候補して議員になることもたまにある
医療業界も集票マシンとしてよく機能する
議員は医療福祉について予算を決定する
似たところがあるから
将来は似たものになってゆくかもしれない
なんだか灰色の未来だけれど