その人は昔わけがあった人から
25年ぶりで手紙をもらったという
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三人の子どもがいる と書いてあるので
たぶん一番上の子は二十歳くらいだろう
下の子は双子かもしれない
未熟な人間でしたから
本当に子どもに教えられることばかりでした
物事に執着せず
諦めることを知りました
とあり、執着はゆるされず、諦めることも多かった人生なのだと知る
今はとても忙しい
日々の生活に追われている
目の前のことをこなすだけの毎日
良い思い出
いまも美しい映像
人生も半ばを過ぎ
もしかしたら終わりの方
余生
以前使っていた用箋がありましたので
黄ばんでいますが使います
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何かあったのだろうか
育児が終わってほっと一息ついた
片付けをしていたら古い便せんが出てきた
夫である人に何か起こった
自分の人生の終わりを自覚した
親が死んだ
何かの記念日だったかもしれない
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美しい映像
自分の心の中には鮮やかな空が広がっている
岩と冷たい空気と
そのとき同じ景色を見ていた人がいるなんて