ITとネット社会、携帯、ヘッジファンド、これらは
かつてゼロだった地点に新しい需要と供給が起きた事例である。
新自由主義者の思想にはネガティブ・フィードバックがないから
急激な成長もあり、際限のない成功もあり、急速な失速もある。
携帯会社は若い人がお金を集めすぎたと思う。
強欲は日本にもいた。
ネット社会を見ていると
看板だけが立派で電話が一台と電話番が一人いるだけの
会社を思い浮かべる。
貸し金と派遣業者とセットの商売である。
派遣業界の広告欄には貸し金の広告がよく似合うのは、
派遣屋と貸し金が必要な人が同じだからである。
派遣の面接に行くためのスーツをキャッシングで作る。
あれこれキャッシングして、リボ払いで据えしている様子は、
アメリカのサブプライムローンと変わりはない。
だいたいが派遣先ではエクセルを使う業種で、仕事の合間にネットで買い物をして、
携帯に月に何万円か払っている。
商売人というものは
上手にターゲットを囲い込むものだと思う。
もっと人生を誇れるような仕事をしようと
子どもの頃から教育する親はいないものなのだろうか。
親が機能しなくても親戚の誰かが理想を示してくれないか。
それが望み薄なのは、
親戚の一番羽振りのいい人が、
IT、金融、ネット関連だからだろう。
徹底的に搾取されて、
やっと搾取する側に回れるのは数少なく、
当然モラルの悩みはつきまとい、
子どもに誇れる仕事でもなく、
大部分は搾取された後に借金だけが残り、
教育費とローンのために共稼ぎを続けるのである。
格差社会を生むのはこうした先端産業が野放図に活動していることと関係している。
旧来の会社でいえば、
NTTの社長でもトヨタの社長でも、それほどの給料はもらっていない。
NTTは旧電電だから役人体質であまり高くない。
トヨタにしても1億円を超える程度で、すごいけれども、希少価値からいえば、
もっともらっているのかなと思うくらいだ。
フジテレビの社員の平均が高いといっても、1500-1600程度である。
これがフリーのアナになると高くなるし、どこの世界にもからくりがある。
フラットな世界もよかったと思うのである。
パキスタンがインドに攻撃するのも宗教はあるけれど、
結局は貧富の差の問題が横たわっているのだろう。
何とかして皆さんに、人殺しよりもいい人生があると気付いて欲しい。
その程度には豊かになって欲しいものだと思う。
自爆的自己犠牲と政治による漸進的な改革を比較して、後者を選択するインセンティブを成立させればよいことになる。
新興宗教の洗脳にみられるタイプの誘導が問題であるが、
洗脳に対するあらかじめの教育を広げておくことだろう。