現実を忘れるために本を読む 堀田善衞「ゴヤ」3-3

自分が今生きていて
現実に困難に直面していて
切り抜けなければならなくて
でもそれを忘れたくて
本を読んでいるわけだ
ゴヤは47歳、いよいよ耳が聞こえなくなって
耳の全く聞こえない画家が誕生した

聴覚と視覚の関係に興味がある私にとっては興味深い展開である

今日銀座の街を歩いてみて
市民が熱意なく無意味に生きているように見える
生きている気迫に欠ける
品川のサラリーマンの群れの方が気力を感じる

この社会は消費社会だと言われて
しかしみんなそれなりに生産に従事しているではないかと思いつつ生きていたのだが
本当に消費しかしない人たちがこんなにも沢山いると知って
驚く