コンピュータ・シミュレーションの例

1987年に、グレイグ・レイノルズという人は、
コンピュータ空間上を自由に、
自分の考えで飛び回る鳥
birdoid(バードイド:鳥もどきという意味)
を創りました。
後年、この名前が短くなって、
boid(ボイド)という今の呼び名になりました。

レイノルズは、このボイドが、
本当の鳥たちのように自然に、
しかもおのおの自分の考えで飛び回るように、
次のようなルールを与えました。

◆ルール1:近くの鳥たちと
      飛ぶスピードや方向を合わせようとすること
◆ルール2:鳥たちが多くいる方へ向かって飛ぶこと
◆ルール3:近くの鳥や物体に近づきすぎたら、
      ぶつからないように離れること

たったこれだけのルールで、
ボイドの群れは、
実際の鳥の群れのように非常に自然な飛び方をしました。

実際、鳥の群れが、
このようなルールを採用しているかどうかはわかりません。
ひょっとしたら、
全く違うルールで動いているかもしれません。

しかし、こうした単純なルールの組み合わせでも、
一見複雑きわまりないと思える振る舞いを
うまく表現できるという事実は、大変面白いです。

ちなみに、こうした集団を扱う簡単な考え方は、
「群行動生成アルゴリズム」などと呼ばれます。

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30年前には
渡り鳥は自分の前の鳥の角度30度くらいを保って
飛んでいるのではないかといわれていたような気がする。

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ネット社会での心理状態について
上記のようなシミュレーションモデルができないかと考える。

「自分が所属していると考える集団の
上位5%の過激さを維持する」傾向を考えれば、
たぶん、だんだんエスカレートしていく過激さを説明できそうだ。

しかしそれはモデルとしては原始的すぎて、
渡り鳥は自分の前の鳥の角度30度くらいを保って飛んでいる
というのと同じ程度ではないかと推定するのだが。

とりあえずモデルになればそれでいい。