須賀敦子が書いている。
自分は、生き急いできた。いつもアレグロだ。
考えてみると、「でも、あんまりじゃなく」マ・ノン・トロッポがいい。
アレグロ・マ・ノン・トロッポがいい、といったようなことだった。
ローマに住みたいとか、そんなタイトルだったような気がする。
わたしもずいぶん生き急いだものだと思う
こうして静かに暮らしてみても
何も違いはないのだった
生き急ぐことに何も理由はなかったのだ
結局それも私の愚かしさの一面でしかなかったと言えるだろう
ともあれ気付いてよかったと思う
生活拡大ではなく意識覚醒