クリントン改革の挫折

アメリカの医療制度は日本のいいところ目指し、
日本の医療制度はアメリカの悪いところを目指す、
こうしたおかしなクロスがある。

クリントン改革の挫折にどのような企業の
動きがあったか、
レポート。

http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2005dir/n2640dir/n2640_07.htm

無保険者全米で4500万人、なんと7人に1人が、「無保険」である。
そのせいで、毎年1万8000人死亡。

医療費の1人当たり負担額(括弧内は税による負担額)は,
米国の5021ドル(2306ドル)に対し,
日本は2131ドル(690ドル)にしかすぎない(米保健省調べ,2001年)。

65年に,メディケア(高齢者対象),メディケイド(低所得者対象)成立

「米国医療保険協会」はクリントン改革に強く反対。

「ファミリーズUSA」がクリントン改革を強力に支持
保険会社の問題として、たとえば、ユナイテッドヘルス社CEO,ウィリアム・マグワイアは、
「保険会社はコスト削減を理由に患者サービスをカットすることで巨利を上げたくせに,得た利益を患者に還元しないで重役たちの給料やストックオプションに回している」と,非難され、2000年度の給与(5400万ドル),ストック・オプション(3億5800万ドル)と公表された。

給与60億円、ストック・オプション400億円です。
いやはやイチローなども、若い頃だけ稼げる肉体労働者ですね。
運動神経のいいガテン系。

こういった人たちが、日本の医療制度を変えろ、
株式会社を認めろ、
混合診療を認めろというのです。
もちろん、政府は従います。
役人たちも政治家たちも、自分たちはもう長生きするわけではないし、
日本の医療が悪くなったとしてもアメリカ程度になるだけです。
それより、自分の生きているあいだのご褒美の方がうれしいのです。

そして、現在まで年余にわたり、超低金利で、
我々の利息をすべてすいあげている銀行、
その支店長クラスの生涯年収は、
勤務医以上です。

給料がよくて、さらにお金を政府と国民から注入してもらっている。
なんていう磐石の組織なのでしょう。
これはつまりは役人の天下りもあり政官との癒着もあり、ということです。

日本医師会で、総理経験者などを顧問に迎えたらどうなのでしょうとの議論もあります。
破格の天下り待遇、しかもも特別アンチエイジング付。

たとえばのはなし、横浜市立病院では、一番偉いのが、
横浜市から出向して来ている事務長なのです。
市会議員から入院を頼まれると、ベッドを空けなければなりません。
横浜市役所と市議会が支配者なのです。
ばかばかしいので医師はすぐにやめます。
やめないでいる医師には、「理由」があるのです。

医者はもはや単なる労働者であり、一年ごとのパートに近いようなものです。
給与の面でも、公立病院の看護師その他、免許もちの給料は勤続年数に応じて高額となり、
1千万円を超えてしまいます。
医者は転勤して回るので、公務員特有の勤続年数のうまみがなく、退職金のうまみもありません。

しかし、それでは、市民病院の事務職員が天国かといえば、
そんなことはありません。
事務職員は転勤でまわるだけですから、専門知識が全くありません。
そこに、役職付きで就任します。
すると、現場のライセンス職で、勤続20-30年の人たちが意地悪を始めます。
だって現場をなにも知らない事務官が、ただ転勤でやってきて、自分たちの指揮官になり、
しばらく腰掛にして、また移って行くのです。
いろいろな権限は古株の方にあります。
なんで実務に当たって苦労している我々が
こんな、パラシュートでやってきて2年だけいる人を教育して、
そのバカな思いつきに従い、いらない苦労をしなければならないのか、
誰が従うものかと思うらしいのです。
それが20年も続くと、もうかなり陰湿です。
プロのイジメです。
事務員はノイローゼになって、ひたすら2年を待ちます。
休職も少なくありません。

わたしは意地悪をされてうつになった人の話を聞く立場なのですが、
何かお互いに相当に鬱憤がたまっているのは確かなようです。

*****
結局、給料を決める人が一番偉いのです。
家でも、一番偉い人が、各人のお小遣いとか、予算の配分をします。
病気について、DNAについて、何を知っていても、
給料の交渉では負けてしまいます。
公立ではそもそも給料・待遇の交渉権がありません。

事務長に何か言っても、法律的にだめですといわれることの、空しさ。
予算がありませんといわれることの虚しさ。
あるいは対立する二つの医師の派閥があって、
その間の対立の決面が、
事務化他の予算決定によって影響されてしまう理不尽さ。
医学的事実が勝つのではなく、予算が勝つ。

患者さんに向かって、法律的にだめですと、平気で言えたらどんなに楽だろう。
板ばさみです。

あるいは事務長に向かって、しかし、医療的にだめですと反論できたらどんなにいいだろう。

この場面で、エリートは医者ではなく、事務長です。

あなたがお婿さんで悩んでいるのなら、
医師よりも事務長になりそうな人を選んだ方がずっといい人生を期待することが出来ます。
普通の生活をして、そこそこ高給、しかも、退職後はおいしい生活があって、
夜中にたたき起こされて病院に向かうこともなく、休みの日には普通に休めるのです。
医師はいつも約束違反を謝っているうちに、約束しなくなります。

さらに話は続きますが、
市の職員にとって、病院勤務ははずれくじです。
忙しいだけで、何の余禄もない。
2年で変わろうが合い言葉です。

その事務員よりもさらに忙しいのが、免許もちです。

*****
どうしてこんなことになってしまったのか。
実にあっという間でした。

病人のこと、病気のことを考えるのは、当たり前ですが、
ベッド稼働率、人件費、薬剤費、ジェネリック使用率、外来利益率、検査件数、
検査を多くしろと事務に言われる、こうしたことを月ごとにレポートされ、
事務長は個人的にはどういう人か知らないが、だんだん憎憎しげな人になって行きます。

組織ですから、事務が決めたとおりに働くのです。
事務が医療をどこまで理解しているというのでしょうか。
さらに悪いことには、医者の中でも、事務を利用する人がいます。
医療を知らない事務に何か吹きかけて、決定させて、
同僚医師の反対を封じます。

*****
どうしてこんなことになってしまったのか。
すべては実にあっという間でした。

もう医者は知的職業ともいえません。
自分たちの事を自分たちでコントロールできないのですから。
すべてを官僚に決めてもらっているのですから。
自分たちの報酬までも。
金融、マスコミ、政治、官僚。
権力と利益に近い業種、つまり税金を山分けにしている人々は、
いまや別にあるのです。
その実質日本の事を決定している人たちが、
医者は働かないで給料をもらっているじゃないかと失言したのです。
当直で患者を待っているときは仕事をしていないなどと言い出しました。
あの発言の責任はどのようにして決着がついたのでしょうか。

もう我慢できない、政治を買うにはマスコミを買えばいいので、
金を注入しろという戦闘派が出てきます。
少なくとも、マスコミはお金で買えるのですが、
しかしそんなことは医師の倫理が許さないと
反対派は言い張っています。

創価学会の組織運営を見習ってはいかがだろう。
数を束ねて現実の力に変える
立派な建物が次々に建つ。

アメリカのドクターがウォールストリートに転進といえば、
儲かるんだからいいともいえるし、
そんなことはドクターになる前からわかっていただろうに、
どうして苦労して時間をかけて医師になったのだろうとも思います。
現場で絶望したのだろうなと想像します。

medical-mindはリバタリアンよりも強いと信じたい。
medical-mindは愛ですから。
リバタリアンはインセンティブですから。

結局、
給料を決める人、予算を決める人、
法律を決める人が、偉い人だったのです。
命を助ける人は偉い人ではなかった。尊敬される人でもなくなった。
つまり、命よりも、お金が大事で、
自分の給料を自分で決める役所と、どんどんお金を儲ける金融業が、
お金本位の社会の中で、一番偉い。
医者は医者の範囲内で、働くだけ。

野球選手も、高給取りになって尊敬されたり、子供のあこがれになったりしたのだから、
医者もまず経済的な裏付けが得られるように集団闘争すべきなのかもしれない。

命のことも、役人に、「お金がない」と言われるとどうしようもないのです。
歳入がない時にどうして歳出が出来るでしょうといわれ、
その直後に道路予算の壮大ないい加減さが露呈する。
何が大事なのか。
命が大事というのは当たり前で普通の考えかと思ったが、
彼らの場合には、お金の方が大事であって、
いい加減長生きしたら、若い人に迷惑をかけない範囲で、
身の降り方を考えて欲しいということらしいのだった。
国民は主権者だから、結局国民がすべてを決定した、
あるいは少なくとも追認したということになっている。

お金に応じて、生命観とか人生観を変えなければならないところまで来ているのでしょう。

頭がよくてまじめ、それはお気の毒、ただの医療労働者です、
公務員試験に合格した人に指導を受けてください。
それが世のなかの支配者と被支配者の区別というものです。

先生も大変ですね、しかしね、財政も破綻状態です、我慢してください、
なんていわれる。
医者の給料のせいで財政破綻したわけではないはずだ。

みんな薄給で頑張っている、
医者だけ待遇に文句をいうなんて、との声。
薄給は結局アルバイトなどの労働過剰につながり、
労働過剰は医療過誤を生み出し、
不安をあおり、医療現場が荒れてゆく。
悪循環。
どうして医療だけ安くしなければならないのだろう。
ホテルはどこも一層豪華になっているではないか。

清貧に甘んじよという声もあり。
自分の子供が医者になったら、よくいいきかせてあげてください。
月給30万円以上になったら、介護施設に寄付させましょう。
もちろん医師の家族であるあなたも清貧のまま、すがすがしく生きます。
これまでかかった学費も、忘れましょう。
医療の理想も忘れましょう。
ただ現実に適応するだけです。それでも限界。
アルバイトはやめて、自分の病院に泊り込みます。
残業代は、病院への寄付だと思ってください。

たまに外車とか乗っていますよねという声。
多くは実家が金持ちか、妻も医者か、そんなパターンでしょう。
誰のために頑張っているのだろう。
いっそのことリバタリアンになって、金持ちだけを相手にすればいいのか。
信義も誠意も、お金持ちにだけ向ける。
お金のない人は、受付で排除。
お金のない人は、それなりの場所で、それなりの慰めを見出してください。
しかしそれだって、1時間で8千円とか、安くはない。

アメリカでも、すでに超一流の人は、医療の現場から逃げ出している。
経営陣にまわって、スーツを着て、インドから医者を連れて来る。
フィリピンから看護師を連れて来る。
あるいは、もう全く別の人生に踏み出している。
人の命にかかわるということの重みが評価されないからだ。

現場にいるのは、有色人種と女性。日本人はもちろん、この中。

*****
いや、取り合えず、500万人いる、土建業の人たち、
その人たちは、公共事業だけを待っている。その人たちを何とかしないといけない。
技能を習得しようにも、意欲も能力もない。

老人は死んでもいいから、まず土建業というなら、
もう何も言うことはないのです。

言っただけ無駄でした。
あなたも、読んだだけ無駄でした。

アメリカから言われ、方針は決まり、スケジュールに従って、
事態は進行しているわけです。

遠くでほえているだけです。
無効です。

こうして医者は立ち去り、引きこもり、
当たり前のことですが、家庭内でよき夫であり、よき父でり、よき子であろうとします。
よき隣人であれば、それでいい、
それでいいのかもしれません。

出来ないものは出来ません。
公立病院には、中国からでもフィリピンからでも医者を引っ張ってくればいい。

*****
将来の受付。個室に通されて、
こまのままでは苦しんで死に、家族も落ちぶれると、怖い話を聞かされたあと、
押しの強い女性が現れる。元新興宗教拡販部責任者。

やすいけど外国人医師でもいいですか?
高いけれど日本人医師がいいですか?
臨床経験はどのクラスがお望みですか?
死亡率と治癒率のグラフです。
お客様の場合は、合併リスクがありますので、
一般コースは使えません。

お試し診療一回三万円です。
継続して診療するなら、以降は15分で1万円から3万円。
弁護士さんやコンサルタントと同じレベルです。
もっと高級コースも、お得なコースもいろいろあります。
前払いでコストダウンできます。
また当社の株を購入することで、有利な扱いが出来ます。
こちらが医師の学歴業績集です。看護師一覧と、看護補助一覧です、
各種特別料金はこちら、予約システムはこちら、
生活改善のための本と物品のカタログ、
環境改善のための建築見本、
在宅介護会社の案内、健康維持のためのリゾート施設、
各国の健康法習得のための旅行案内、
各種有料講習会、DVD販売、
いろいろありまして、専用浄水器から、石鹸から、調味料から、マイナスイオン下着から、
総合的に手抜かりなく対策してください。
一貫して、生活を一変させる、そして家族全部を変える、これが大事です。
わたしたちは何事も患者様本位ですから。

大事なのはあなたが健康にどけだけ関心を持っているかです。
当院としては、もしものことがあるといけませんから、
最高レベルのS検査をお勧めしますが、
このコースは持続的に情報を提供し、最新の医療機会を提供します。
高額所得者にダイレクトメールを毎年機械的に送っていますから、
内容はご存知ですね。
肩書きばかりの金もうけ主義者が写真に顔を並べています。
性格は顔に現れるものですね。如実に。
医療界のリバタリアン、メディカル・リバタリアンと自称しています。

事情によってそれ以下のコースにする場合は、
事後的に問題があっても理解した上でのことだという承諾宣誓書に
ここでサインしてください。
これから各条を読み上げて録音しますから、聞いていてください、
質問があったら、すぐに聞いてください。
録音とサインが証拠になります。
これは家族に開示します。

まず本人確認です、
郵便番号、住所、生年月日、電話番号、病気の名前、
伝えられている治癒までの総経費の見通し、ここまでを、
マイクに向かって録音してください。
くどいようですが、それなりのしょぼいものだということを、
理解していることを、明言してください。